リーディングDXスクール事業について

 仙台三高は,本年度「リーディングDXスクール」に指定されました。この事業は,GIGA端末の標準仕様に含まれている汎用的なソフトウェアとクラウド環境を活用し、児童生徒の情報活用能力の育成を図りつつ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や校務DXを行い、全国に好事例を展開するための事業で、宮城県内の他5校とともに事業が展開されていきます。

 本校では,生徒が Google Workspace for Education を Chromebook での普段使いに活用しながら教育活動を展開しています。ここでは、本校の主な取組を紹介します。 

 

 

 

 

本校での取組

令和5年度の取組

【リーディングDX】五所川原工科高校の研修会で講師を務めました

 令和5年11月21日(火)、本校リーディングDXスクール事業担当(図書ICT部)の草陽介教諭が、青森県立五所川原工科高校のICT校内研修会にて「授業や校内におけるICTの有効活用について」というテーマで本校の取り組みの事例紹介を行いました。青森県内の高校では教員と生徒がChromebookを1人1台保有しGoogle Workspace for Educationの各ツールを活用しており、既にBYOD 4年目となっている本校の活用例に加えて、校内の研修の体制や全職員がChromebookを使いこなすようになるまでの環境づくりなどもお話ししてきました。

 参加された先生方からは、「とても分かりやすく、ためになる講演でした」「入試に向けての取り組み方やGoogleについてのお話、今後の見通しなど大変興味深かった」といった感想やコメントを頂きました。本校としても日頃の取り組みを外部に紹介できる大変貴重な機会を頂くことができました。

【リーディングDX】高知県の学びフォーラムで講師を務めました

令和5年10月14日(土)、本校リーディングDXスクール事業担当(図書ICT部)の草陽介教諭が、高知県教育センター主催の「新しい時代のICTを活用した学びフォーラム」の講師として招かれました。仙台三高のBYAD(一人一台端末)導入の歩みや、授業観や校内研修の方針などに触れつつ、日頃のICT機器を活用した実践紹介をしました。参加された先生方からは、「県外の学校の先進事例が知れて大変勉強になりました。」や「教員が互いに誘い合って校内のプチ研修に来てくれると学校全体が個別最適化、協働的な学びの展開に繋がっていくと思った」といった感想やコメントを頂きました。

その他、東京学芸大学の高橋純教授のお話や高知県の各校種の取り組み事例の説明等、貴重なお話も伺うことができ、今後の本校での教育に活かしていきたいと思います。

Surface Hubの活用について

本校では,校務のDXを推進する一環として, Surface Hubを導入しています。

インターネットに繋がった大型モニターで, オンラインアプリやプレゼンソフトを使用しながら,オンラインプレゼンテーションやオンライン会議などが可能です。 

 

本校での日常の使用方法としては,メッセージ機能を持つアプリで保護者から連絡された内容を教員が確認したり,当日の時間割変更の確認に用いています。

オンライン会議にも活躍します。キャスターで簡単に移動することができ,会議室や普通教室,特別教室に持って行って使用できます。また,高性能マイクが備わっており,少人数グループの会議には最適です。

《国語科》2年古典探究「地域を結ぶ歌枕を創作しよう」

国語科では、京都の高校生と交流する授業を実施しています。

今回は2年古典探究で行った和歌創作の授業を紹介します。

【授業のポイント】

○遠隔地の高校とクラウドでファイルを共有することで交流を行う

○宮城県と京都府の特色や価値観のちがいを創作によって知ることができる

 

【授業の流れ】(本校生徒の目線でお伝えします)

①〈Google Site〉YouTubeにUPされた予習授業動画を各自が事前に視聴する。

②〈Google Form〉予習授業の動画を視聴した後、その内容の理解度や交流に向けての意気込みを問うアンケートに答える。

③〈Jamboard〉宮城県紹介・自己紹介を班ごどに作成する。

④〈Web会議ツール〉〈Google Form〉交流一回目

交流するグループと顔合わせをし、③で作成したJamboardを共有して宮城県の紹介をする。授業後、アンケートに入力をする。

⑤〈Google スライド〉交流するグループと共有したスライドを用いて、宮城県の伝統行事や名所を「現代歌枕」として相手に送る。⇒期限が来たら、京都の高校から共有されているスライドを通じて京都の「現代歌枕」を受け取る。

⑥〈Jamboard〉京都の高校生からもらった「現代歌枕」を用いて、本校生徒が京都にちなんだ和歌を一首作成する。

⑦〈Googleスライド〉共有したスライドを用いて、お互いの地域に思いを馳せた和歌を送り合う。そこで京都の高校がどのような宮城県の和歌を作成してくれたのかを確認する。

⑧〈Web会議ツール〉〈Googleスプレッドシート〉〈Jamboard〉交流二回目 

京都の「現代歌枕」に込められた思いをどのように読み取り、和歌に詠み込んだのかを相手に向けて発表する。その後、相手の高校から実際にどのような意図で「現代歌枕」を選定したのか種明かしの説明を受ける。(宮城県の「現代歌枕」についても同様)

その後、相手の「現代歌枕」を作成した意図を踏まえて、自分たちが作成した京都にちなんだ和歌の推敲を行う。和歌を書き換えたことで生まれる効果などを、相手校と共有しているスプレッドシートに記入する。

⑨〈Google Form〉事後アンケートに入力する。

 

画像は⑧の最後の交流部分です。各班に分かれて発表し合いました。生徒たちは短時間ではありましたが、和歌創作にあたっての工夫を意欲的に発表したり、京都の高校生とのおしゃべりを楽しんだりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【使用したツール】

〈Google Site〉〈Google Form〉〈Googleスライド〉〈Googleスプレッドシート〉〈Jamboard〉〈Web会議ツール〉

生物「利他行動」

生物の授業では、「生物✕倫理」コラボ授業を行いました。

倫理の先生も一緒に授業に混ざり、利他行動について生物的な視点と、倫理的な視点から意義を考えました。

それぞれの考えをjamboardにまとめ、解の無い問いについてそれぞれの意見をまとめました。

授業の最初と最後に同じ問いに答え、自身の考えの変化をお互いに共有しました。

理数生物「細胞分裂の観察」

理数生物の授業では、体細胞分裂の観察を行いました。

ネギの種子から発根させたものを染色し、細胞分裂の様子を観察しました。

観察される細胞分裂の時期の割合は、それぞれの時期に要する時間の割合に相当することを事前に学習しており、実際に実験で確認します。

観察する細胞数が多ければ多いほど正確な比率になるため、全員のデータを協働で一つのGoogleスプレッドシートにまとめ割合を調べました。

実験レポートは書き込んだものを写真で撮影し、Google classroom上で提出してもらいます。

Classroomではルーブリックと一緒に送っているため、それに沿ってチェックして、コメントなどを書き込み返却します。

理数生物「酵素の反応速度」

2年生の理数生物の授業では、酵素の反応速度に関するシュミレーションデータを使って、グラフを作成しました。

授業では酵素の特性として、反応の最大速度や親和性があることを学びました。

また、酵素は阻害剤の影響を受ける場合もあり、速度や親和性が変化します。

実験で得られたとする仮のデータを使い、Googleスプレッドシートでグラフを作成し、それぞれの特性を推定しました会議・研修

SSデータサイエンス【データの活用方法について】

 宮城大学の高山先生より、世の中にあふれているビッグデータを上手に活用することの重要性を中心にお話をいただきました。高山先生は、今回のリーディングDXスクール事業の本校のアドバイザーでもあります。

 現在、生徒たちが取り組んでいるデータ活用の学習に、大変関わりの深い内容だったので、生徒にとっても意義のある学習会となりました。

SSデータサイエンス【データの活用②】

 SSデータサイエンス(1学年)の授業では、数学科と情報科が連携した授業を展開しています。今回は「散布図」を用いたデータ分析の授業を紹介します。
 本時は、数学科の先生方が数学Ⅰの「散布図」に関する授業(座学)を行った後の学習活動になります。

 本時の活動はグループでの活動になります。生徒たちは、連携企業である地元百貨店のデータを用いて散布図や相関係数を調べます。その際、共有されているGoogleスプレッドシートでデータをグループでまとめた後、Jamboardや、Googleスライドなどで、グループのメンバーと協働作業を行いながら分析をしていきます。

SSデータサイエンス【データの活用①】

 

 SSデータサイエンス(1学年)の授業では、数学科と情報科が連携した授業を展開しています。今回は「ヒストグラム」や「箱ひげ図」を用いたデータ分析の授業を紹介します。

  本時は、数学科の先生方が数学Ⅰの「ヒストグラム」や「箱ひげ図」に関する授業(座学)を行った後の学習活動になります。

 

(授業の流れ)
①教師は、Googleクラスルームを通して、生徒に「数値データ」が記載されているスプレッドシートを配付します。そのスプレッドシートの数値を使って、生徒はグラフ化したり、プログラム関数を用いて中央値や平均値などの数値を求めたりしていきます。

②生徒は、作成したグラフや、求めた数値からデータの傾向をJamboardにまとめた後、自分の考えを隣りの生徒に説明します。その結果、自分の考えの至らない部分に気づいたり、自分の考察を深めたりしながら、自分の考えを整理していきます。

③Googleスプレッドシートに整理した内容をまとめ、Googleクラスルーム経由で教師にレポートとして報告(提出)します。

 

 本時の生徒たちは、数学科で学んだ知識と、情報科で学んだ情報を加工する知識などを用いてデータの傾向を読み取っていきます。また、Googleのクラウド機能などを用いることで、教師の手間も省くことができるとともに、生徒の考えた軌跡も見ることができ、教師の効率化も図ることができます。