SSH通信

#09 2011-11-18

SSH中間発表会

SSH中間発表会

 10月4日にSSH中間発表会がありました。大講義室で3題の口頭発表を行ってから,体育館で全ての班のポスター発表が行われました。

 

口頭発表

 口頭発表では,理数科課題研究を代表して「3Dについて」,「思い通りのあみだくじを作る」,SSH特別課題研究を代表して「稚貝から幼生へ~カサガイが変態する条件~」という3つの研究班が口頭発表を行いました。

 半年程研究した成果を,自分達なりにプレゼンテーションにまとめ,理数科全学年と大学の先生方を前に発表を行いました。10分という限られた時間に聞き手に伝わるよう,どの班もアニメーションや模式図などを発表に用いて,分かり易くするための工夫が見られました。大学の先生方からは「研究の目的をはっきりさせる」「今後の展望について明確な見通しを立てる」などのアドバイスを頂くことができました。

 私達SSHクラブも「カサガイ」の発表をしましたが,大勢の人の前で初めての発表でとても緊張し,質疑応答の際にうまく返答できませんでした。

 聞き手も意欲的に発表に参加し,質疑応答の時間には多くの質問がでました。今回の発表会はとても良い雰囲気だったと思います。1月の分野別発表会ではすべての班が口頭発表を行う事になります。今回の経験を生かした発表が行えるようにしましょう。

 
ポスター発表

 口頭発表の次にポスター発表が行われました。ポスター発表とは,研究内容をポスターにまとめ,それを使って説明をする発表形式のことです。

 今回は,2年理数科が課題研究のポスター発表をし,1学年全クラスと大学等の先生方がその発表を聞く形で行われました。また,2年生理数科に加えて,SSHクラブや自然科学部,小・中学生もポスター発表に参加しました。目の前の人に直接話しかける事もあり,緊張してなかなか声をかけられない様子でしたが,徐々に慣れ活発な意見交換がなされました。小・中学生の皆さんも,初めは緊張していたようですが,三高生の盛り上げもあり,緊張もほぐれたようでした。

 各グループとも,模式図や写真を使って見やすくしたり,ポスターの前に実物を置くなど工夫を凝らした発表をしていました。説明を聞いてくださった先生方からは,研究内容やポスターの見せ方などに関して様々なご指摘を頂きました。

 今回の中間発表を通して,今後の研究を進める上でのヒントを得ることができました。一月の分野別発表会に向けて邁進していきたいと思います。

 

※ 発表題の一覧

<理数科課題研究>
思い通りのあみだくじを作る/学校周辺の地形・場所と気温の関係/何故ヘリコプターが飛ぶのか?/模型飛行機における水平尾翼容積の変化に伴う飛行時間の変化について/平面スピーカー/どうきこえるの?立体音響/3Dについて/受動二足歩行ロボット/野球に関する物理/ワイヤレス送電/エレキギターの音の仕組み/天然染料による金属イオン検出試験紙の製作/色素増感太陽電池/カラスの生態/珪藻で作る七北田川の環境指標/粘菌について/DNAバーコーディング/蜘蛛の糸/
ニワトリ胚の観察と染色による血管形成の観察/筋肉HAN/三高の桜を植物培養で増やす/津波と地形の関係/文化の流布のシミュレーション/砂山崩しにおける自己組織化臨界現象/マウスで重力加速度を測る

<SSHクラブ,自然科学部>
幼生から幼貝へ~カサガイが変態する条件~/植物の光発芽と葉緑体太陽電池/音の音色の違いについて/インターネット上の悪意を持った行為/n2+1の形の素数-フェルマー数を探る-/黄金比とフィボナッチ数列/マウスとヒトの赤血球の食塩水濃度による形態変化/魚類における視交叉の左右非対称性/SSHフィールドワーク(光環境と植物の成長)/SSHフィールドワーク(江戸時代の地震による地滑りin白神山地)

<小・中学校>
仙台市立南光台東小学校:食塩の結晶作り/食塩の結晶の研究/3Dの研究/指紋の研究
塩竈市立第一小学校:自分で電池を作ってみよう
仙台市立西山小学校:㊙魚の産地レポート/アジ料理の秘密にせまる
宮城教育大学附属中学校:表面張力の強さの研究/つまようじブリッジで橋の耐久性を調べよう
仙台市立西山中学校:日本と世界の水のちがいの研究
仙台市立五橋中学校:滑車の実験
仙台市立鶴谷中学校:エチレンガスが果物に与える影響について
宮城県仙台二華中学校:宮城県の絶滅危惧種~シナイモツゴ~/あのミドリムシが燃料になる~微生物たちの意外な可能性~/家庭でできる節電
聖ウルスラ学院英智小・中学校:仙台の夜空 ~光害による星空の変化~
仙台市立加茂中学校:松の葉で大気汚染を調べよう/ゼラチン・寒天の研究

 

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第2回理数科講演会

第2回理数科講演会

  10月17日に第2回理数科講演会が行われました。今回は東北大学大学院理学研究科教授の塚本勝男先生をお招きし,「地球科学および結晶成長について」というテーマで講演していただきました。

 はじめは無重力の話でした。無重力空間内でタオルをしぼることができるかという実験を行ったところ,表面張力により水が手にまとわりつき,絞ることができなかった,などといったさまざまな興味深い話をしていただきました。

 結晶についての話では,結晶に関しての,スケールの大きな話から身近なものに関する話までしていただき,身の回りは結晶であふれているということに気づかされました。結晶とは,分子(粒子)が規則正しく並んだ状態の物体のことで,液体から固体に変化する際に潜熱を発します。この潜熱による発熱がみられるケースとして,氷の透明度の違いについて述べてくれました。冷蔵庫で冷やした氷は冷やす温度が低いため潜熱により溶けて,再び凍り,不透明になります。一方,コンビニなどで売っている氷は冷蔵庫よりも低い温度で冷やされてできているため,透明になっているということだそうです。

 また,結晶には50万~100万年で10mの大きさまで成長するものもあれば10m/秒の速さで成長するものもあるそうです。結晶成長には,熱や速度が重要になってくるようで,それによって形も変わり,その形から今までの起源を知ることができるらしいです。

 塚本先生は最後に私たちに,これまでの話を踏まえた上で「コーヒーが冷めることで,砂糖が再び結晶化することによりコーヒーの温度は上がるか?」という疑問を投げかけました。つまり,砂糖が液体から固体に変化する際に発生する潜熱によって,コーヒーの温度が上がるかという疑問です。これは非常におもしろい疑問だと思いました。答えは皆さんで考えてくださいとのことでした。

 この講演を聞いて,身の回りのものにも多くの不思議があることを実感させられました。身近なものに目を向けてみることが大事だということがよくわかりました。

 

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科学イベント紹介

科学イベント紹介


<東北大学サイエンスカフェ>

11月25日(金)

良い洪水と悪い洪水 ~カンボジアの便益とリスク~
風間 聡 東北大学大学院工学研究科 教授

12月16日(金)

巨大地震に対する備え~高知能ダンパーが建物の揺れをコントロール!~
井上 範夫 東北大学大学院工学研究科 教授

場所:仙台メディアテーク
http://cafe.tohoku.ac.jp/event/index.html

 

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