SSH通信

#14 2012-10-25

第1回SSH講演会&SSH身近なテクノロジー

第1回SSH講演会&SSH身近なテクノロジー

7月25日に,「第1回SSH講演会」および「SSH身近なテクノロジー」が行われました。講師の先生は東北大学大学院工学研究科の澤谷邦男教授と川又政征教授で,講義と携帯電話の分解実習を指導していただきました。

 講義では,通信工学が専門の澤谷先生と電子工学が専門の川又先生から「携帯電話のための無線通信技術と信号処理の技術」ということについて教えていただきました。普段何気なく使っている携帯電話が題材ということもあり,多くのことを考えさせられたのと同時に,身近な電子機器について改めて学ぶことができ,とても新鮮で興味をそそられました。


 そして,次に自分達の手で携帯電話を分解しました。様々な道具を使い苦労して開けてみた携帯電話の中身は,数え切れない部品で埋め尽くされていました。その場で,講師の先生方に「これは何のための部品ですか」と質問し,納得がいくまで詳しく教えていただくことができ,極めて貴重な経験をすることができました。

 今回の講演会・実習を通して,「なんでだろう?」と疑問を抱くことは未来につなげるためにとても重要な役割を果たすものであることを感じました。そして,もっと身近な電子機器にも目を向けさせてくれるものとなり,以前に増してより理数系への興味・関心を高めてくれるものとなりました。

 

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日本動物学会東北支部大会,日本進化学会,日本動物学会

日本動物学会東北支部大会,日本進化学会,日本動物学会

 私達は,山形,東京,大阪でそれぞれ行われた3つの学会の高校生による発表に参加してきました。

 山形での口頭発表では,プレゼン後の質問時間に沢山の質問をいただきました。また,発表の終了した後に直接話しかけに来て,研究についての感想や助言を頂くことができました。中には参考にした文献を執筆した本人に直接会うことができた人もいて,研究についてより深い議論をすることができ,実りの多い発表になったと思います。


 東京,大阪で行われたポスター発表では,聞きに来てくれた人との1対1または少人数にポスターの説明を行い,多くの方々と研究について議論し,助言を頂くとともに,自身の研究のより深い理解の必要性も感じました。

緊張したり,ポスター発表で喉がかれそうになるなど,多少苦しいところもありましたが,今回参加した3つの学会での発表は今後の研究に向けて有意義なものとなりました。今回受けた指摘や助言をふまえ,より良い研究を行っていきたいと思います。

 

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白神フィールドワーク

白神フィールドワーク

 私たちはSSH行事の一つである,三日間の白神フィールドワークに参加してきました。私たちが何を行ったのかを報告します。

8月3日(金)

 アオーネ白神についた私たちは,さっそくこのフィールドワークのメインである,ブナ林の毎木調査に取り掛かりました。深浦町教育委員会の神林先生の御指導の下,ブナ林に生育している樹木の幹周りの長さを測定し,過去のデータと合わせてブナ林がどのような変化をしているのかを調べました。毎年このような調査を行い,ブナ林の変化を調べており,今回の私たちの調査もその一環です。

 夜には発光生物の観察を行いました。私たちが観察を行った生物は,ホタルです。ゲンジボタル,ヘイケボタルだけでなく,海に生息するウミボタルも観察することができました。ホタルの発光のしくみについてはもちろん,ホタルのいるこの環境を守らなければならないという事を皆が感じることができたと思います。

 戻ってからは弘前大学からお越しくださった,檜垣教授から地すべりと追良瀬川についての講義をしていただきました。その後に今日行った実習のまとめを行いました。


8月4日(土)

 午前中は樹木の生長と光環境の関係を調べるための実習を行いました。光環境の異なる地点に生育している植物の枝の伸びや,魚眼レンズを用いて光の当たり具合を調べるなどして,明るいところと暗いところではブナとアサダなどの植物の間で,成長の傾向が異なるということを発見しました。

 午後は昨日の講義を受けて,檜垣教授と追良瀬川での実習を行いました。川の流れの速さや川のおおよその深さ,川幅から,流れる水量を求めたりしました。また,倒れている樹木を発見し,調査によって地すべりに巻き込まれたものだと特定する作業も行っていました。

 夕食後には神林先生による白神山地と,白神山地の窓と言われる十二湖についての講義をしていただきました。十二湖や白神山地の成り立ちなどを教えていただいた後,実習のまとめを行いました。

8月5日(日)

 檜垣教授と十二湖を巡り,神林先生のお話に出てきた十二湖と,十二湖から見える大崩という地すべりの跡を見ることができました。地すべりが起こってブナ林が巻き込まれても,再びブナ林が再生されていくという話には驚かされました。

 今回このフィールドワークに参加することでそれぞれに得るものがあったと思います。普段と違った自然に囲まれている環境での経験,また世界遺産である白神山地を訪れる経験というのはなかなかできるようなものではありません。今回のフィールドワークの思い出を大事にしていきたいと思います。

SSHつくば研修

SSHつくば研修

  8月1日~3日,僕たちはつくば研修で3つの施設を見学してきました。1つめは筑波の「理化学研究所」です。ここでは,リソースを維持・保存し提供,またはそれに関する技術開発を行っていました。ここで言うリソースとは,実験で使う動植物,細胞株,遺伝子材料のことです。リソースが超低温で保存されているタンクや,まるで映画に出てきそうな設備の実験室を見学しました。

 2つめは「高エネルギー加速器研究機構」です。ここで受けた説明は非常にレベルが高く吸収するのが大変でした。ここでは加速器と呼ばれる,電子や陽子などの粒子を光の速度近くまで加速させて高エネルギー状態を作り出す機械を扱っており,これが宇宙,物質,生命の根源を解明することにつながるとのことでした。たまたま僕たちが見学したときは加速器が修理中だったため,巨大な加速器を間近に見ることができました。

 最後に行ったのが今,宇宙兄弟で話題になっている「JAXA宇宙センター」でした。ここでは職員の方の説明を受け,宇宙利用について学び,作成中の人工衛星まで見せてもらいました。

 この研修ではあらゆる最先端の技術に触れることができ,理系の心をくすぐる素晴らしい体験ができました。来年の研修も理系の人は是非参加して最新の技術を肌で感じて来て欲しいと思います。

SSH生徒研究発表会

SSH生徒研究発表会

ポスター発表(3年コア)

 8月8日~9日に横浜で開催されたSSH生徒研究発表会で,私たちSSHクラブ生物班はポスター発表を行いました。私たちは「笠貝の幼生の変態と貝殻の地域変異」という題で発表を行い,他校の生徒から質問を受けたり,先生方から沢山のご指導を頂くことができました。2日目は,初日のポスター発表で選ばれた代表校による口頭発表が行われました。どの発表もわかりやすくまとめられていたため,質疑応答も活発に行われました。中には英語で質問に答えている高校もありました。

 今回のような全国の高校生と交流できる機会は少ないし貴重な体験ができるので,1,2年生は積極的に参加してみて下さい。

 

見学参加(1年コア) 

 8月8日~9日に横浜で行われたスーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会では,全国各地のSSH指定校の生徒が,自分たちがこれまで行ってきた研究成果,目的,発見などを創意工夫を織り交ぜながら発表をしていました。具体的には,実際に使用した実物を見せたり,実験装置の働き自体を実演したりと,興味を引く演出方法が沢山ありました。この発表会では,何より沢山の高校生の研究発表を見られることが利点です。また,発表者側の心構えも見ることができました。例を挙げると,不意に質問を出されても,丁寧に,且つ正確に答えてくれました。これが出来るようになるには,その研究に関する全てのことにおいて,より深く知る必要があります。

 このように,今回の発表会の見学では,これから発表者の立場となる自分達に必要なもののヒントを沢山得ることが出来ました。

 

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第1回コアSSH講演会&第1回・第2回コアSSH探究講座

第1回コアSSH講演会&第1回・第2回コアSSH探究講座

 8月20日と21日の二日間をかけて,宮城教育大学の村松隆教授による講演会・探究講座がありました。これはコアSSHの行事として宮城教育大学で行われ,仙台第一高校などの連携校と共に参加することとなりました。

 内容は,水の性質や水と環境のつながりについてということでした。まず一日目の午前中に,講演会として,水と環境に関する知識を学びました。水の分子の構造とそれによる水の性質や,近年問題となっているアオコについてなどです。雪の結晶が六角形である理由や,雨が降ることで空が暖められているということなど,身の回りの事象についても学ぶことができました。難しい内容もありましたが,そのようなものでも非常に分かりやすくご説明を頂きました。また,水の動き方の実験を見せて頂くということがありました。温度差による密度の差で水が動くのを,染色した水で分かりやすく見ることができました。

 その後二日目まで,探究講座として実際に実験を行いました。実験は,水に溶けている酸素量や水の硬度の測定などといった,主に水の分析の実験をさせてもらいました。分析の対象は水道水や川の水,市販の天然水など,ごく一般的な水でした。そのため,講演会と併せて科学によって身近なものについて深く考えることができ,身の回りに及んでいる科学の力を改めて実感させられました。この実験では,高校にはなく,見たこともないようなとても高価な装置や薬品を使わせて頂き,さらに教授に直々にご指導を頂いたということで,非常に貴重な体験となりました。

 また,宮城教育大学の研究室で行われたということで,実際に大学へ行ってその雰囲気を味わうことができました。また,研究室で実験をさせて頂くということもなかなかありません。進路選択のために役に立ったのではないかと思います。宮城教育大学は本校でも人気のある大学ということで,参考になりました。

 今回の講演会・探究講座ではとても良い経験ができました。教授や先生方はとてもお優しく,楽しく実験に取り組めました。また,他校生との交流を持つこともでき,とても良かったです。この経験を高校や大学での化学,また,今後の課題研究など,活かせるところに活かしていきたいです。SSH講演会ではこのような素晴らしい体験ができるため,興味を持ったら是非参加してみてください。SSH指定校の特権です。

 

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科学イベント紹介

科学イベント紹介


<東北大学サイエンスカフェ>

10月26日(金)
次世代航空機への挑戦 ~航空機開発の最前線~
岡部朋永 東北大学大学院工学研究科 准教授

11月30日(金)
震災はココロとカラダをどう変えた? ~回復のためにできること~
富田博秋 東北大学災害科学国際研究所 教授

12月18日(火)
南極で夢見る果ての宇宙
市川隆 東北大学大学院理学研究科 教授

場所:仙台メディアテーク

http://cafe.tohoku.ac.jp/event/index.html

 

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