SSH通信

#2012-02-06

第2回SSH講演会

第2回SSH講演会

  11月14日のSSH講演会では,東北大学電気通信研究所の塩入諭教授に目の錯覚と呼ばれる「錯視」についてお話しいただきました。

 前半の講演では,目の錯覚というものの仕組みについて,様々な例を提示しながら分かりやすく解説していただきました。後半の実習では,塩入先生と大学院生の方々の指導のもと,様々な錯視図形を実際に体験し,講演での内容をより詳しく知る事ができました。

 今回の講演会全体を通して,目の錯覚とは,人間の網膜に映る二次元的な限られた情報から脳が三次元の世界を認識しようと無意識に判断するものであるということや,それにはどのような処理が行われているかが分かれば情報技術として応用できるのだということを教えていただきました。大変興味深い講演会でした。

宮城県高等学校生徒理科研究発表会

宮城県高等学校生徒理科研究発表会

  11月10日に仙台市戦災復興記念館で宮城県高等学校生徒理科研究発表会が行われました。宮城県内24校が参加し,仙台三高からは自然科学部化学班,生物班,SSHクラブが参加しました。会場は物理,化学,生物,地学の4分野に分かれており,発表は質疑応答を含め10分(物理,地学は15分)で行いました。

 生物分野では,発表内容は1年生のときから継続しているものが多く,さらに研究が進み,昨年参加したときに比べてとてもハイレベルなものとなりました。聞き手の生徒達は他校の発表を真剣な表情で聞いていました。発表後は,多くの学校の生徒が質問や指摘をするなど,活発に議論がなされました。講師の先生方からは,講評と今後についてのアドバイスを頂くことができ,自分達の研究や発表について見直す良い機会になったと思います。さらに,同じ分野の研究をしている各校同士で意見交換をし交流を深め,有意義な研究発表会となりました。  

 

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第3回理数科講演会

第3回理数科講演会

  12月12日に,第3回理数科講演会が行われました。今回は,東北大学大学院生命科学研究科准教授の酒井聡樹先生をお招きし,「これから論文を書く高校生のために」という題材で,お話をしていただきました。

 内容としては,論文を書くときに心がけることや,研究とは何か,またその進め方やタイトルの付け方,序論の書き方,結論のまとめ方についてを実際の例を示しながら,非常にわかりやすく説明していただきました。

 理数科は約1年間,課題研究を行い,その一環として,自分たちの研究した内容を論文形式にしてまとめなければなりません。ですので,今回の講演は,その上でとても参考になりました。また,大学に進学すれば,理系文系問わずに,論文を書く機会があると思います。その上でも今回の講演は役に立つのではないでしょうか。論文を書く機会は,それほど多くないと思いますが,今回学んだことをぜひこれからに活かしたいと思います。

 

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科学・技術フェスタ in 京都 2011

科学・技術フェスタ in 京都 2011

 SSHクラブ(コア,ココア)の1年生5人が12月17日に行われた科学・技術フェスタ in京都2011に参加しました。

 午前中,開会式に引き続き行われた特別講演では,以下の2人の方が講演されました。

「現代社会と科学」
  益川敏英 教授(京都産業大学益川塾
  塾頭,ノーベル物理学賞)

「地球と向き合った163日」
  野口聡一 氏(宇宙飛行士)

 講演の後,「はやぶさ」のプロジェクトマネージャーを務めた川口淳一郎 宇宙科学研究所 (ISAS/JAXA) 宇宙航行システム研究系教授が出席して,「はやぶさ」ギネス世界記録認定記念式が行われました。

 午後からは, 「~憧れること,学ぶこと~」をテーマに,科学者との交流プログラムが行われました。東北大学教授の大隅典子先生の司会で,ステージに上がった高校生が科学者の方々に質問をするという形式で行われ,仙台三高からは宇佐見茜さんが高校生の代表の一人として登壇しました。以下は宇佐見さんの感想です。

“ 壇上にあがる。それは誰しもが緊張や不安を抱えてしまうものだろう。だから準備をして備えようとする。そしてそれらは,なるべく早い方が良い。分かっている筈だった。が,私の場合,それが一日で訪れた。
 物事には予兆というものがある。壇上にあがる前にも打ち合わせがある。打ち合わせは司会の東北大学教授大隅典子先生と京都産業大学益川塾塾長益川先生,壇上にあがる生徒等で昼食を兼ねて行われた。質問する順番を話し合うと,打ち合わせは終了した。私は黙々と天ぷらに塩をかけて,味を堪能しながら話を聞いていた。
 いざ壇上にあがってみると,緊張や不安は感じられなかった。しかしそれは最初だけだった。緊張していないつもりだったが,私の心身は慣れない緊張をして気持ちが悪くなっていた。質問する順番は4番目。益川教授への質問だ。私は集計してもらった質問の中から,特に印象の強かった質問をした。「益川先生はノーベル賞を受賞したとき『あまり嬉しくない』と仰ったそうですが,益川先生にとってノーベル賞とは何ですか」質問の答えの最初の方は若干聞き取れなかったが,「私は天邪鬼なので」とのことだった。
 1周目は無事終了。2周目に突入した。今度は川口先生への質問だ。何を質問しようか考えていると,「では,次は逆から回しましょうか。」不測の事態だった。物事には予兆がある筈だ。慌てていたので咄嗟に思いついたことを質問してしまった。「はやぶさに一言あげるとしたら何て言いたいですか。」答えは明瞭だった。「ありがとう,そしてお疲れ様と言いたいですね。」大隅先生に「だんだんはやぶさが擬人化されてきてますね」と言われたが,はやぶさは私の中で,もう会えない友と化していた。”

 交流プログラムの次に,化学をテーマにした「世界化学年フォーラム」もあったのですが,残念ながら帰りの新幹線の都合で会場を後にしました。

 今回のイベントに参加して一番深く感じたことは,科学者という生き物はとても面白い人物であるということです。講演会の中で川口先生の話を聞いたり,学生との質疑応答でのやりとりを聞くと,1つの話の中に必ず1つは先生のユーモアが含まれているのです。それはその人でしか思い付けないような発想であったり,その人ならではの経験だったりと様々ですが,どれも興味深くおもしろいものでありました。やはり科学と向き合うにおいて,自由な発想や独自の好奇心というのは必要なことなのだろうと改めて思いました。

 その発想や好奇心はどうやって培っていけばよいのでしょうか。それは幼い頃や私たちほどの年齢の頃に,どれだけ物事に挑戦していくかということなのだと先生の話から学びました。挑戦が人を面白くするのです。川口先生曰く「没個性ではなく個性的であれ,変人であれ」とのこと。先生のようなユーモリストになれればと思います。

 

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科学イベント紹介

科学イベント紹介


<東北大学サイエンスカフェ>

2月24日(金)

コンピュータで生命の理解を目指すバイオインフォマティクス ~ゲノム『情報』がいかに生物の『実体』を形作るか~
木下賢吾 東北大学大学院情報科学研究科 教授

3月30日(金)

大脳電磁気生理学の最前線
~脳活動をみる,脳を刺激する,てんかん患者を救う!~
中里信和 東北大学大学院医学系研究科 教授

場所:仙台メディアテーク

http://cafe.tohoku.ac.jp/event/index.html

 

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