SSH通信

#11 2012-02-21

SSH課題研究分野別中間発表会

SSH課題研究分野別中間発表会

  1月18日に,SSH課題研究分野別中間発表会が行われました。内容としては,他校の生徒たちによる招待発表と,本校の理数科2年生が進めている課題研究の中間発表を行うといったものでした。

 前半の招待発表では,宮城県水産高等学校による「ブラックバスの有効利用」,宮城県石巻工業高等学校による「高温下のカキ殻が引き起こす現象」,宮城県工業高等学校による「新エネルギー『人工石油』の研究」といった題材で各校が研究発表を行い,ともにすばらしい発表で,刺激を受けました。

 後半の課題研究中間発表では,研究している分野ごとに各部屋にわかれ,理数科2年生がそれぞれの課題研究の中間発表を行いました。発表では,講師の先生方からの鋭い指摘を受けながらも,各班ともこれまでの研究の成果を存分に発表できたと思います。また,他の高校の先生方などといった来賓や参加者の方々も訪れ,緊張感を持って発表に臨むことができました。

 この発表会を通して,1年生はこれから始まる課題研究のテーマ決定に向けて,2年生は5月に行われる理数科の日での発表に向けて,それぞれ頑張っていきたいと思います。 

 

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第4回理数科講演会

第4回理数科講演会

  1月24日に理数科講演会が行われました。今回は,東北大学大学院農学研究科の山下まり教授に「海洋生物の謎を化学と生物で解明したい」と題して,講演していただきました。普段の生活では馴染みのない毒を持つ海の生き物に,多くの人が興味を持って,講演会に聞き入っている様子でした。

 山下教授は,私たちが毒を持つ生き物に関してよく抱く疑問に,講演の中で答えてくださいました。例えば,毒を持つ生き物は毒をを何に使っているのでしょうか。例を挙げると,ふぐは自衛のため,ヒョウモンダコという小さな蛸やイモガイという巻き貝は餌をとるときに毒を使用します。種によって毒の使い方は様々で,また,毒の種類や作用も,血液に作用するものや,神経に作用するもの等様々です。

 では,毒を持つ生き物はなぜ自分の毒によって影響を受けないのでしょうか。ふぐの場合,ふぐ毒のテトロドトキシンは,神経や骨格筋に存在するナトリウムチャネルを阻害し,運動神経を麻痺させます。しかし,ふぐの持つナトリウムチャネルのタンパク質は,アミノ酸に変異があり,テトロドトキシンが作用しにくい構造になっているとのことです。また,ふぐの血液中には,テトロドトキシンに結合するタンパク質があり,これはテトロドトキシンを不活性化し,その輸送,蓄積に関わっていると見られるそうです。

 では,毒は自然界でどのように作られるのでしょうか。自ら毒を生成する生き物もいるでしょうが,先ほどのテトロドトキシンや,下痢,麻痺,神経の異常,記憶喪失などの症状を引き起こす様々な種類の貝毒は,海水中の細菌や渦鞭毛藻類のような有毒のプランクトンを捕食し,それぞれの生物に蓄えられたものです。しかし,これらの微生物がどのように毒を生成するかについては分かっていないことが多いそうです。この様な海水中の微生物は,船が貨物輸送の際に船の重さを調節するために海水を汲み上げて移動することにより,世界に広がってしまうことがあります。これによってある地域で,それまで普通に食べられていた生き物が,急に毒を持つことがあり,問題になっているそうです。

 講演の最後には,研究がどのように進められるのかについての説明がありました。元素分析と分子の構造決定は,2年生は化学の授業で触れたこともあり,かなり深い理解ができたと思います。

 講演の後には,生徒からの質問がいくつかあり,とても有意義な講演会になったと思います。 

 

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第4回SSH講演会

第4回SSH講演会

  2月8日に第4回SSH講演会が行われました。講師の宮城教育大学の村松隆教授は,「自然水における『よごれ』の発生メカニズムとその解釈」と題して,実験形式でお話をしてくださいました。

 前半の講義では,水の「よごれ」とは一体どのような物質によるものなのかについて,ユーモアを交えてご教示してくださいました。そのため,私たちは興味を持って飽きることなく講義を聴くことができました。

 後半の実習では,河川がどのくらい汚れているのかを調べるため,七北田川と広瀬川の水を使って水質調査を行いました。内容が高度で難しく,原理を理解できないところもありましたが,水質を検査するために細かい調査を経て,多方面からアプローチしていくという手法は大変勉強になりました。
 この講演会で学んだことを,これからの学習に生かしていきたいと思います。

日本生物教育学会

日本生物教育学会

 1月7日,兵庫医療大学で第92回日本生物教育学会(神戸大会)が開催されました。私たち自然科学部生物班は一年生でありながら「魚類は変温動物か?~酵素の反応速度から体内温度を推則する~」,「マウスとヒトの赤血球の食塩濃度による形態変化」という二つのテーマでポスター発表を行いました。

 発表者と参加者の距離が近く,多くの質問を間近で受けることができました。質問に対してうまく伝わるように返答することができなかったり,返答すること自体できなかったりして自分の発表能力と研究についての理解の低さを感じました。二時間ずっと説明しどうしで声も枯れてしまうほどでしたが,大学や学校の先生方からは多くのアドバイスをいただくことができ,とても参考になりました。また,他校や大学の先生方の発表を見聞きすることで,より分かりやすく発表する方法と見やすいポスターの作り方を学びました。

 今回,学会に参加し,研究についても,発表についても学べることが多くあり,今後に生かしていきたいと思います。

 

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東北・北海道地区SSH指定校研究発表会

東北・北海道地区SSH指定校研究発表会

 1月28日,29日の2日間にわたって,北海道の室蘭で東北・北海道地区SSH指定校研究発表会が開催されました。東北・北海道地区のSSH指定校である13校が参加し,それぞれの研究成果について議論がなされ,科学実験を通して科学技術に関する理解を深めました。

 1日目は口頭発表,ポスター発表を行い,私は自然科学部化学班として,ルミノール反応とケミカルライトを混合した際の発光の強さの変化について,研究した成果のポスター発表を行いました。他校の生徒や,講師の先生方から質問や指摘を受け,研究内容をさらに深めることができました。

 2日目は,北海道大学大学院工学研究院の永田晴紀教授に「未来を正しく展望しよう ~小型ロケット開発を事例に~」という演題で講演していただきました。講演後は,北海道立教育研究所附属理科教育センターと室蘭栄高校の先生方を講師として,科学実験体験を行いました。渦電流を使った実験や,電気分解を利用した電気ペン,ヒヨコの解剖など10種類の実験を自由に体験しました。

 この2日間を通して,様々な分野の発表や実験に触れ,科学に対する興味・関心・理解を深めることができました。

科学イベント紹介

科学イベント紹介


<東北大学サイエンスカフェ>

2月24日(金)

コンピュータで生命の理解を目指すバイオインフォマティクス ~ゲノム『情報』がいかに生物の『実体』を形作るか~
木下賢吾 東北大学大学院情報科学研究科 教授

3月30日(金)
大脳電磁気生理学の最前線
~脳活動をみる,脳を刺激する,てんかん患者を救う!~
中里信和 東北大学大学院医学系研究科 教授

場所:仙台メディアテーク

http://cafe.tohoku.ac.jp/event/index.html

 

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