理数科の日
5月16日,本校で毎年恒例の「理数科の日」が開催されました。「理数科の日」とは理数科3年生が課題研究の1年間の成果を発表する日です。全学年の理数科生徒全員が参加し,さらに大学や他校の先生方が来賓として足を運んでいただき,発表に対する質疑応答を通して研究内容に対する理解を深めました。
冒頭の開会行事の中で,東北大学の安藤教授(SSH運営指導委員長)は「(質問等で)ボコボコにします。」とあいさつをし,それを聞いた3年生は笑いながらも覚悟を決めて発表に臨んでいるようでした。
様々なジャンルの発表があり,「思い通りのあみだくじを作る」や「カラスのくるみを落とす行動の研究」など身近なものを題材とした発表が多く,私たちに親近感を持たせることで興味を引かせていました。
1年生は初めての理数科行事だったので,今回の行事を通して理数科としての意識を高めることができたでしょう。2年生は来年発表を控えているため,今後の研究の参考にしようと熱心に聴いていました。3年生は今までやってきた研究を,1・2年生や先生方に伝わるように様々な工夫をしていました。
研究内容の要約である「Abstract」を全てのグループが英語で書くなど,昨年よりも研究のレベルが高いものとなっていましたが,教授陣(特に東北大学の渡辺教授)や,1・2年生からの鋭い質問・意見に悪戦苦闘する場面もありました。
今回の理数科の日は,1・2年生にとって今後の課題研究に非常に役に立つものとなったのではないでしょうか。来年や再来年に自分たちが発表の番になったときには,今年以上に素晴らしい研究発表にして,教授陣をギャフンと言わせられるように頑張りましょう。
<発表テーマ>
珪藻を用いた七北田川の水質調査 / カラスのくるみを落とす行動の研究 / 粘菌を用いたネットワークモデル / DNAの塩基配列情報で生物種を同定する / 受動二足歩行ロボットの歩行条件 / 学校敷地内の環境と気温の関係について考える / エレキギターの音の仕組み / 光学式マウスを利用した重力加速度の測定 / 砂山崩しにおける自己組織化臨界現象 / 文化の流布のシミュレーション / ボールの運動と距離 / ワイヤレス送電技術を用いて遠距離送電をする / 津波による波の変化 / 色素増感太陽電池と光の色の発電効率の違い / 天然染料による金属イオン検出試験紙の作成 / 水平尾翼容積で飛行時間は変わるのか / ヘリコプターの製作を通して飛ぶ原理を知る / 平面スピーカーと指向性 / 立体音響 / 3Dを美しく見せるために / 三高の桜の組織培養 / SDS電気泳動による糸腺を用いたクモの糸のタンパク質の分析 / ニワトリ胚への造影剤注入による血管形成の観察 / メダカの遅筋と速筋 / 思い通りのあみだくじを作る
宮城県高等学校理数科課題研究発表会
3月5日,仙台市民会館で宮城第一高校,仙台第三高校,仙台向山高校の県内理数科三校の生徒が課題研究発表を行いました。
宮一からは「宮一理数科のルーツを探る〜ミトコンドリアDNAによる遺伝子解析〜」「オイル時計における仕切り板の穴の大きさが計測時間に与える影響」,三高からは「天然染料による金属イオン検出試験紙の作成」「思い通りのあみだくじを作る」,向山からは「平松式における雪の結晶」「天気を作る〜人の手で天気を作りたい〜」の各班が,それぞれの学校の代表として発表しました。
どの班も堂々と発表をして,各校の生徒,来賓の講師の方からも鋭い質問が出され,大変有意義な課題研究発表会となりました。今回の各班の研究を見本としながらこれからの課題研究に取り組んでいきましょう。
日本水産学会
3月25,26日の2日間,東京海洋大学で開催された日本水産学会に,SSHクラブ生物班として参加しました。この学会には,日本全国から海洋生物の研究をしている高校生,大学生,大学の研究者(教授など)が参加し,多くの人が研究発表を行いました。
1日目は12箇所の会場で行われた口頭発表を見学しました。最先端の研究について直接聞くことで,知識を深めることができました。
2日目に,私たちは「クサイロアオガイにおけるベリンジャー幼生から稚貝への変態過程」という題でポスター発表を行いました。大学教授を初め,多くの専門の方々から指摘・助言を受け,自分たちの研究を見直す良い機会となりました。
2日間を通して,一般の研究者の発表を見て,着眼点,プレゼンの仕方など,多くを学ぶことができました。
科学イベント紹介
<東北大学サイエンスカフェ>
5月25日(金)
スピンと半導体を使った省エネルギー集積回路
大野英男 東北大学電気通信研究所 教授
6月29日(金)
秩序ってなに?~「準結晶」に見えてくるもの~
蔡安邦 東北大学多元物質科学研究所 教授
場所:仙台メディアテーク
http://cafe.tohoku.ac.jp/event/index.html