SSイベント関連情報
【12/22】ナノテラス講演会~次世代放射光施設が拓く科学と地域の未来~
令和7年12月22日(月)、本校で「ナノテラス講演会」が開催され、1学年の生徒320名と、2学年の希望者(ナノテラス測定班)、教職員を含む約350名が参加しました。
講師に東北大学名誉教授の村松淳司 氏をお迎えし、「次世代放射光NanoTerasuと仙台の未来」という演題で、基礎研究から産業応用まで幅広く活用される最先端科学施設「NanoTerasu」をわかりやすく解説していただきました。
まず、村松先生からはNanoTerasuが仙台に設置された背景と意義について説明がありました。NanoTerasuは3GeV高輝度放射光を利用する国内初の次世代型施設で、軟X線を用いて物質の表面構造だけでなく内部構造まで詳細に観察できることが特徴です。村松氏は、東日本大震災の復興のために、NanoTerasuの計画が構想されたことや産官学が協働するリサーチコンプレックスの中核としてNanoTerasuが果たす役割を紹介してくださいました。
NanoTerasuを核として大学や企業が集積することで、新しい製品や技術が生まれ、地域経済や科学技術の発展に大きく寄与することが期待されています。
また、NanoTerasuでの測定が「ブランド認証」に直結する可能性があることも示され、科学技術が地域産業と結びつく未来像に生徒たちは強い関心を寄せていました。特に、印象的だった活用事例として、宮城県産の牡蠣と他県産の牡蠣の比較分析が紹介されました。
放射光を使ったX線分析により、牡蠣に含まれるミネラル成分の違いを明らかにし、地域産品のブランド化に活用できることが示されました。その他にも食品の内部構造をCTで可視化し、食感や品質の改善に役立てる研究も紹介され、身近な食材が最先端科学と結びつくことに驚きの声が上がりました。
農産物や水産物の品質評価、医療や材料開発など、NanoTerasuが社会課題の解決に貢献する可能性についても触れられ、科学の力が生活に直結することを実感できる内容でした。
講演後、生徒からは「科学が地域の産業や生活に役立つことを実感した」「自分も将来こうした研究に関わりたい」という感想が寄せられました。今回の講演は、最先端科学の魅力を知り、探究活動への意欲を高める貴重な機会となりました。
【12/1】鶴谷小の3年生が仙台三高の時習の森を巡検!
令和7年12月1日(月)、仙台市立鶴谷小学校の3年生が街探検の一環として本校を訪問しました。
今回の訪問では、仙台三高の特色ある施設や環境を紹介し、学校林「時習の森」を巡検する活動を行いました。
時習の森は、本校が誇る自然豊かな学びの場であり、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)活動や理数探究の授業でも活用されています。
小学生たちは、教職員の案内で森の中を歩きながら、樹木の名前や特徴について説明を受けました。子どもたちからは次々と質問が飛び出し、自然への興味と探究心の高さが感じられました。
森の中では、落ち葉や木の実を観察しながら、季節の移り変わりや森の役割についても学びました。
今回の活動は、鶴谷小学校の児童にとって、身近な自然を学ぶ貴重な機会となっただけでなく、本校にとっても地域とのつながりを深める大切な時間となりました。今後も、時習の森を活用した学びの場を地域に開き、科学や自然への興味を広げる取り組みを続けていきたいと考えています。
【11/27&12/1】ごみ分別装置を開発!(THKものづくり探究教材の活用)
11月27日と12月1日の2日間で、理数科80名の生徒が、ものづくり0.が提供する「THKものづくり探究教材」を活用して、スチール缶、アルミ缶、ペットボトルの3種類をごみを分別する装置の開発を行いました。赤い箱から分別装置に必要な部品を取り出すと、生徒たちは班員と協力しながら組み立て、クロームブックを活用し、マイクロビットに分別プログラムを組みました。12月1日には各班で考えたプログラムを実践し、見事3種類のごみの分別ができました。
今後はこれらの経験を理数探究に活かして、研究を充実させてほしと思います。
〇プログラム開発者が工夫した点
・中央、右端、左端にペットボトル、スチール、アルミ缶を別々に分別できるようなプログラムを考えた。
・缶がジグザグに落ちていくようにして見てて楽しくなるようにしました。
・ゴミを一番奥に分別するとき、一秒だと短いので、何秒でやれば効率よくゴミを捨てられるか考えた。
※ものづくり0.(ゼロドット)は、中学生や高校生の「ものづくり」を応援することを目的に、THK株式会社と株式会社リバネスがスタートさせたプロジェクトです。本教材の活用例や、中高生のためのものづくり研究費「THKものづくり0.賞」の案内、そしてものづくりに関するさまざまな動画コンテンツを公開しています。
| 使用した探究教材 |
実験装置組み立て |
プログラミング |
| 3種類の分別成功! |
まとめ |
マイクロビットの画面 |
【12/3】台湾研修直前のGLC第7回セッション実施!(ResearchExpressionⅡ)
12月3日13:20~15:10 仙台第三高校を会場に今年7回目のGLCセッションが行われ、理数科80名が東北大学留学生と交流しました。
今回は、12月9日~12日に控えている台湾研修に向けた最終セッションでした。
台湾研修で台湾師範大学附属高級中学の高校生と行う研究発表に向けた最終確認として、スライドのチェックや質疑応答などオールイングリッシュで行いました。
これまでの経験を活かして、来週の台湾研修を精一杯楽しんできて欲しいと思います。
※GLCは東北大学グローバルラーニングセンターの略
| 全体説明 |
発表の様子 |
ディスカッションの様子 |
【11/29】物理オリンピックに挑戦!
令和7年11月29日(土)12:30~17:00自然科学部物理班3名(1年生)が宮城県仙台第二高等学校を会場に行われた物理オンピックプレチャレンジに挑戦しました。今回の課題は、物理で習う光学の内容のため、1年生にとっては未知の内容でしたが、仲間3人で協力して実験書の説明を読み解きながら実験を行い、課題に取り組みました。実験終了後は、出題者の吉澤 雅幸 東北大学名誉教授による採点が行われ、1つ目の格子間隔を求める問題は見事正解!以降の問題についても部分点を獲得し、なかなかの出来でした。未知な課題に対して取り組む経験は、とても貴重であり、今後の自然科学部物理班の活動に活かして欲しいと思います。
本企画は、日本物理教育学会東北支部第40回物理教育研究大会の特別企画「物理オリンピック日本委員会(JPhO)プレチャレンジに東北地区の高校生が挑む」で開催されました。
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実験の説明 |
実験装置の組み立て |
実験結果の分析 |
【12/4】SSHコーディネーター講演「課題の設定の仕方」 ~第一線の研究者から学ぶ,研究の核心~
令和7年12月4日(木)、本校1年生理数科80名を対象にSSHコーディネーターによる講演「課題の設定の仕方」が行われました。
この講演は今後生徒たちが取り組む課題研究に向けて、研究テーマを設定する際の考え方や重要な視点を学ぶことを目的としています。
第一線で活躍する研究者の経験に基づく話は、生徒たちにとって大きな刺激となりました。
講演の冒頭では、SSHコーディネーターが自身の研究テーマである「エチレンの作用機作」や「水生植物の適応生理」を例に挙げながら、学術研究における課題設定のプロセスを解説しました。
「何を明らかにしたいのかを明確にすることが、研究の出発点である」という言葉に、生徒たちは深くうなずいていました。続いて、学術研究の課題設定に必要な要素として、次の3点が示されました。
・未解決の課題への挑戦(独創性)
・検証する手段(施設・技術)
・新たな理論や概念の発表(評価)
これらを踏まえ、「課題は単なるテーマ決めではなく、科学的な問いを立てること」であると強調されました。
また、情報収集と整理の重要性にも触れ、「ネーチャーやサイエンスに載っている論文であっても、鵜呑みにせず疑う姿勢が大切」という言葉が印象的でした。研究活動の本質について「課題設定はゴールではなく、探究の始まり。問いを持ち続けることが科学の醍醐味」と語られ、生徒たちは真剣な表情でメモを取りながら耳を傾けていました。
また、生徒たちはGoogle Scholarなどを活用した先行研究の調べ方や生成AIの活用についてもアドバイスを受けました。
講演後、生徒からは次のような感想が寄せられました。
「今回の講演会から研究テーマ決定に重要な要素は2つあると考えました。1つ目は疑問点をもつということです。研究の中で様々なことに疑問をもつことで最終的な研究テーマへつながっていることを知りました。また、2つ目は情報収集です。いざ調べてみると、自分が研究しているものと同じものがあることがあるので、しっかり調べて知識を吸収したいです。」
今回の学びは、今後の課題研究において、科学的な視点と主体的な姿勢を育む大きな一歩となるでしょう。
【10/23-10/24】本校63回生(第1学年)が台湾・明道高級中学と英語で国際交流~授業と校外研修を通じて広がる国際的な視野~
令和7年10月23日(木)と24日(金)、本校では台湾・台中市の私立明道高級中学の生徒を迎え、1年生普通科240名と理数科80名が英語を使った国際交流を行いました。このプログラムは、授業交流と校外研修を通じて互いの文化を理解し、国際的な視野を広げること、そして積極的な交流を通じて主体性を育むことを目的に実施しました。
1日目(10月23日)
午前中は歓迎セレモニーの後、明道高級中学の生徒とともに各クラスの授業に参加しました。英語を使って自己紹介や簡単なコミュニケーションを行い、互いの学校生活や文化について話し合う姿が見られました。最初は緊張していた生徒も、笑顔で交流するうちに打ち解け、教室は国際色豊かな雰囲気に包まれました。
午後は、事前に英語の授業で計画した仙台市内の自主研修を実施しました。生徒たちはグループごとに交通機関を利用し、仙台駅周辺や八木山動物園、うみの杜水族館などを訪問しました。訪問先の選定や行程の計画はグループごとにすべて生徒自身が行い、台湾の生徒が喜んでくらそうな場所を選びながら計画をしました。訪問先では英語を使って案内や説明を行いました。異文化交流を楽しみながら、主体的に行動する力を養う貴重な体験となりました。
2日目(10月24日)
理数科の生徒が中心となり、理科と英語を融合させた活動を展開しました。scienceに関連するクイズ大会や学校林「時習の森」でのフィールドワークを実施。自然観察を通じて日本の環境や生態系について紹介し、英語で説明することで、理科の知識を国際的な文脈で活用する力を育みました。
最後には、両校の友好と発展が続くことを願い、植樹式を行いました。植えられたのは、宮城県農業高等学校から提供された玉夢桜(東日本大震災の津波被害を受けて沿岸部に桜を植えたいという思いから開発された塩害に強い新品種)です。
両校の生徒が協力して苗木を植える姿は、未来に向けた友情の象徴となりました。
今回の交流を通じて、生徒たちは英語を使った実践的なコミュニケーションを経験し、異文化理解を深めるとともに、主体性や協働性を育むことができました。国際的な視野を広げるこの取り組みは、今後の学びや進路選択にも大きな刺激となることでしょう。
【11/6】令和7年度 「イノベーションフェスタ(探究活動中間発表会)」を実施しました
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探究活動の発表の場として、令和7年11月6日に令和7年度「イノベーションフェスタ」を開催しました。 主に2年生が幅広い分野にわたって取り組んできた探究活動の成果を「ポスター(日本語)」や「スライド(英語、日本語)」によって発表し、在校生、本校教職員、他校の教職員や生徒、大学教員、大学院生、ALTと議論を深め、さらなる改善に活かすことが目的です。県内外の発表参加校は15校、参加生徒数は130名となり、北は岩手県、南は鹿児島県までと国内の幅広い地域からご参加いただき、本校の一大イベントです。 さらに、この日の活動の視察のため、文部科学省や宮城県の教育行政関係者、さらに県内外の大学教員、教職員の多くの方々がご訪問下さいました。 特に発表では、かがわ総文2025で自然科学部門第1位の研究発表と海外の交流校とのオンライン発表などが好評でした。 この2年生の探究活動の成果の最終発表は、2026年5月に開催予定の「三高探究の日」になります。今回の活動で得られた改善点を活かしてさらに探究活動を進めていきます。 |
【11/13】イノベーション理数探究基礎 地学分野の発表会を開催~石ころから読み解く地球の物語~
令和7年11月13日(木)、1年生理数科の生徒80名による「イノベーション理数探究基礎」地学分野の発表会が行われました。この科目では、物理・化学・生物・地学の4分野で探究サイクルを体験し、科学的な思考力と課題解決力を育むことを目的としています。
今回の発表会は、4つ目、すなわち最後の地学分野の探究活動のまとめとして実施されました。
地学分野のテーマは「石ころ探偵」。生徒たちは、自分で拾ってきた石を題材に、「この石はどこから来たのか?」「いつ、どのようにしてできたのか?」という問いを出発点に探究を進めてきました。授業では、扁平率や摩耗の程度を測定し、岩石切断機で石を切断して内部を観察。実体顕微鏡で鉱物を調べ、モース硬度を求めるなど、科学的な分析を行いました。さらに、地理院地図を活用して採集場所の地質や地形を調べ、石の成因を推定しました。
発表会では、Googleスライドを用いて各自の探究結果をまとめ、クラスメートに共有しました。発表の中では、「自分の石は火成岩なのか堆積岩なのか」「どの地質環境で形成されたのか」を「容疑者」というユニークな設定で推理する形式が採用され、会場は大いに盛り上がりました。中には、初めに推定した容疑者が誤っていたケースもあり、教師による専門的な解説を通じて「なぜ間違えたのか」を学び直すことで、理解がさらに深まりました。
この発表会を通じて、生徒たちは観察・測定・分析・考察という科学的プロセスを実践し、論理的な説明力やプレゼンテーション力を高めることができました。身近な石ころから地球の歴史を読み解くという探究は、理数科ならではの奥深い学びを提供し、生徒たちの好奇心を大きく刺激しました。
今後は、これまでの4つの探究サイクルをいかしながら、次年度に本格的に取り組むイノベーション理数探究Ⅰの研究に向けて準備を進めていくことになります。
【10/7】生物 ✕ 倫理
先日、3年生「理数生物、生物」の授業において、倫理科と連携した教科横断型STEAM授業(生物 ✕ 倫理)を行いました。
今回のテーマは「利他行動(自己の利益を犠牲にして他個体を助ける行動)」です。
授業では、まず倫理の視点から「人間における利他行動」を、次に生物の視点から「動物における利他行動」を考察しました。
その後、両者を比較することで共通点や相違点を探究し、多角的な視点から「利他行動」の本質に迫りました。
生徒たちは、理系・文系の枠を超えた視点で学ぶこの授業を楽しみにしてくれていたようです。授業後も活発に議論を交わしたり、テーマについて深く思考を巡らせたりする姿が見られ、知的な刺激にあふれた時間となりました。
【10/22】生物基礎 時習の森調査
仙台第三高校の1学年「生物基礎」では、「生物の多様性と生態系」の学習の一環として、学校林「時習の森」で実習を行いました。
実習では、先輩たちが設置してくれた樹木札を手がかりに、森林がどのような階層構造(高さによる光環境の違いなど)になっているかを自分たちの目で観察しました。
また、樹木が倒れるなどして林冠(森の天井部分)が途切れた「ギャップ」を探し、そこでの植生の様子も確認しました。
教室で学んだ知識を、実際のフィールドで確認することは、生徒たちにとって学びを深める貴重な体験となったようです。生徒たちはグループで互いに協力しながら、熱心に森の調査に取り組んでいました。
【10/28】SS特別研修 東京エレクトロン宮城工場研修を開催
2025年10月28日12:00~17:00の日程でSS特別研修 東京エレクトロン宮城工場研修を開催し、35名の生徒が参加しました。東京エレクトロン宮城工場では、トップシェアを誇る半導体加工装置の開発施設の見学と研修設備(VR実習)の体験を行いました。装置の開発を行う研究開発室では、クリーンルーム内に置かれた半導体エッチング装置で目的の半導体を作るための試行錯誤がされていました。また、東京エレクトロンでは、販売した様々な種類の半導体加工装置のメンテナンスを行うため、VR体験ができる研修施設を整備しています。生徒たちは、VR空間の半導体加工装置の内部を観察しながら、VRの没入感に感動していました。最後に東京エレクトロン宮城に勤務する仙台三高OBとの交流し、大学進学から就職、研究開発で感じていることなどキャリア意識を高め、最先端の技術の基礎に高校や大学の知識や経験が生きていることを知りました。東京エレクトロン宮城の皆様ありがとうございました。
※工場内は撮影禁止のため、入口での集合写真
〇生徒の感想(抜粋)
【2年男子】最先端の技術を間近で見て、とてもわくわくしました。社員の方々の説明も分かりやすく、エンジニアの楽しさや大変さを知ることができました。社員の方々の誇りと情熱を感じ、将来の進路を考える良いきっかけになりました。
【2年女子】大学のオープンキャンパスと異なり、初めて企業を訪問して、キャリアパスなどの話を聞くことで大学後の進路を考えさせられたり、そのために今必要なことを実感できた。
【10/16】イノベーション理数探究基礎 地学分野がスタート!~石ころから地球の歴史を読み解く探究活動~
令和7年10月16日(木)、1年生理数科の生徒80名を対象に、SSH学校設定科目「イノベーション理数探究基礎」の地学分野がスタートしました。この授業は、物理・化学・生物・地学の4分野でそれぞれ探究サイクルを1回ずつ体験するもので、今回の地学分野はその最終サイクルにあたります。
地学分野のテーマは「石ころ探偵」。
身近にある石を題材に、「この石はどこから来たのか?」「いつ、どのようにしてできたのか?」という問いを出発点に、科学的な手法を用いてその謎を解き明かしていきます。
生徒たちはまず、自分で拾ってきた石を観察し、扁平率(石の形の平たさ)や摩耗の程度を測定。
石の形状から、どのような環境でどれだけの時間をかけて運ばれてきたのかを推測します。
次に、岩石切断機を使って石を切断し、実体顕微鏡で内部の鉱物を観察。
火成岩や堆積岩など、岩石の分類や成因について理解を深めます。また、モース硬度を測定することで、石に含まれる鉱物の種類や硬さを調べ、より詳細な分析を行います。
さらに、地理院地図を活用して、石を拾った場所の地形や地質を調査。
地形の成り立ちや地層の分布をもとに、石がどのような地質環境で形成されたのかを科学的に考察します。これらの活動を通じて、生徒たちは地球のダイナミックな変動や、長い時間をかけて形成される自然の営みに触れることができます。
この探究活動では、観察・測定・仮説・検証といった科学的プロセスを実践的に学ぶことができ、理数科ならではの深い学びが展開されています。
生徒たちは、石という一見身近で小さな存在から、地球の歴史や地質の奥深さに迫る探究に意欲的に取り組んでいます。
今後の授業では、各自が調査した石についての考察をまとめ、スライドを用いて発表を行う予定です。
探究の集大成として、どのような「石ころ物語」が生まれるのか、今から楽しみです。
【10/26】仙台三高学校林「時習の森」グリーンアドベンチャーを開催(第48回全国育樹祭記念行事)
令和7年10月26日(日)、仙台三高の学校林「時習の森」にて、第48回全国育樹祭記念行事「グリーンアドベンチャー」が開催されました。本行事は、宮城県仙台地方振興事務所林業振興部職員2名、本校の教員および白神フィールドワークに参加した1年生12名が講師となり、県内の小学生24名を対象に自然観察や工作体験を通して、自然の魅力や科学の面白さを伝えるアウトリーチ活動として実施されました。
当日はあいにくの雨天となり、予定していた「時習の森」の巡検は中止となりましたが、屋内での活動に切り替えて実施しました。
まずは、「葉っぱの同定作業」です。時習の森から事前に採集されたさまざまな葉を観察し、図鑑を使って樹木の名前を調べる活動に取り組みました。高校生が小学生1~2名に付き添い、図鑑の使い方や葉の特徴の見分け方を丁寧に指導しました。小学生たちは「この葉っぱは何の木かな?」と興味津々で、楽しみながらも真剣に取り組んでいました。
続いて、時習の森の木材を使った「木札づくり」に挑戦。小学生たちは時習の森のヒノキの香りや手触りを楽しみながら、オリジナルの木札を作成しました。木のぬくもりを感じながら、自然素材の魅力に触れる貴重な体験となりました。
最後は、時習の森の葉っぱを使った「葉拓(ようたく)」の工作体験です。お気に入りの葉に絵の具を塗り、紙に写し取って模様を浮かび上がらせるこの活動では、自然の造形美を感じながら、世界に一つだけの作品を完成させました。完成した作品を手にした小学生たちは、満足そうな笑顔を見せていました。
この行事を通じて、小学生たちは自然や科学への興味を深めるとともに、高校生にとっても自らの学びを他者に伝える貴重な機会となりました。
白神フィールドワークで得た知識を活かし、教える立場として活動した高校生たちは、自然の魅力を再確認し、コミュニケーション力や主体性を高めることができました。
今後も本校では、地域と連携したアウトリーチ活動を通じて、科学や環境への関心を育み、学びの輪を広げていきたいと考えています。ご参加いただいた皆様、そしてご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
10/25(土)科学の甲子園に出場してきました。
第15回科学の甲子園
みやぎチャレンジ2025に本校2チームが参加してきました。
事前課題、当日午前の筆記、午後の実技とタイトな日程でしたが、
一生懸命取り組む姿が見られました。
大会の結果は思うようなものにはなりませんでしたが、
「来年こそは!」と意気込む生徒が見られ、よい刺激になりました。
【10/15】ライフサイエンスの授業で「VR介護体験」を実施しました。
令和7年10月15日(水)の2・3校時、本校1年生理数科80名を対象に、宮城県保健福祉部主催の介護体験出前授業を実施しました。株式会社シルバーウッドの黒田様を講師にお招きし、最新のVR技術を使った認知症体験を通じて、介護への理解を深める貴重な機会となりました。
生徒全員がVRゴーグルを着用し、「レビー小体型認知症」の方が見る世界をバーチャルリアリティで体験しました。突然視界に現れる幻視(幻覚)や、距離感が掴みにくいなどの症状を疑似体験することで、当事者にとってどのような「困りごと」になっているのかを、深く、リアルに理解することができました。
このVR体験を通じて、生徒たちは「介護する側」の視点だけでなく、「介護される側」の視点を初めて持ち、相手の立場に立って考えることの重要性や介護する際の心構えを学びました。
【10/10】1年生普通科イノベーション探究基礎で探究がスタート!~「なぜ?」から始まる課題設定と班づくり~
令和7年10月10日(金)の第6校時、1年生普通科の生徒240名を対象に、「イノベーション探究基礎」の授業が行われました。この授業は、1年生が自らの興味・関心をもとに課題を設定し、探究活動を進めていくための出発点となる重要な時間です。今回は、探究活動の中でも最も難しいとされる「課題設定」について学ぶことを目的に、SSHコーディネーターによる講義が実施されました。
授業の冒頭では、本校SSH-授業づくり研究センター長よりSSHコーディネーターの紹介があり、その後、「総合的な探究の時間 『課題』の設定」というテーマで講演が行われました。
講義ではまず、「探究とは何か」という問いから始まり、「受け身の学びから、自立・能動的な学びへと変化すること」が探究の本質であると説明されました。
SSHコーディネーターは、「課題・テーマの設定が探究の中で最も難しい」とおっしゃっていました。また、良い課題を設定するためには、まず自分の興味・関心を深掘りすることが大切であると述べておられました。その際、「なぜ?」という問いを繰り返すことで、表面的な疑問から本質的な課題へとつながっていくことを、具体的な事例を交えて紹介しました。
次に「先行研究の重要性」も強調されました。すでに誰かが調べたことを知ることで、自分の探究がどこから始められるのかを明らかにする点の重要性も強調されました。また、Google Scholarなどの学術情報検索ツールの活用方法も紹介され、生徒たちは実際にどのように情報を集め、整理し、課題を構築していくのかのイメージを持つことができました。
生徒たちは真剣な表情でメモを取りながら耳を傾けていました。
講義終了後には、いよいよ探究活動を共に進めていく「班づくり」が行われました。生徒たちは自分の興味関心をもとに、共通のテーマに関心を持つ仲間を見つけていました。班の中では、早速「どんなテーマにするか」「どんな視点で深めていくか」といった話し合いが始まっている班もあり、活気に満ちた雰囲気となりました。
この日の授業を通じて、生徒たちはこのあと高校卒業まで継続していく探究活動の第一歩を踏み出しました。今後、それぞれの班がどのような問いを立て、どのように学びを深めていくのかが楽しみです。
【10/9】1年生理数科イノベーション理数探究基礎(生物分野)で発表!~「時習の森」から考える日本の森林の未来~
令和7年10月9日(木)の2・3校時に、1年生理数科の生徒80名による「イノベーション理数探究基礎」生物分野の発表会が行われました。
この科目では、物理・化学・生物・地学の4分野それぞれで探究サイクルを体験し、科学的な思考力と課題解決力を育むことを目的としています。
生物分野では、仙台三高の学校林「時習の森」をテーマに、日本の森林・林業に潜む課題を探るPBL型授業を展開してきました。
これまでの授業では、生徒たちは生成AIを活用しながら、時習の森の現状や日本の森林・林業の問題点に気づき、それらに対する解決策を考えてきました。解決策ではシステム思考の概念を生かし、ループ図という思考ツールを用いて、科学的かつ論理的な根拠をもとに解決策を考えてきました。
本日の発表会では、これまでの学習のまとめとして、生徒一人ひとりが自ら設定した課題とその解決策について、スライドを使ってプレゼンテーションを行いました。
例えば、「IoTを使った森林における持続的な発展について」のように新しい農業の視点を生かした解決策の提案や「生徒たちが測定したデータを統計学的に解析してそれを根拠に課題を設定する」など、身近な森から日本の森林の問題点・課題の発見とその解決策の立案をしていました。生徒たちの発表はすべて自分たちの学習前の視野から大きく広げた発表となっていました。また、どの発表も、調査やフィールドワークで得たデータをもとに、説得力のある内容となっており、聞き手に深い気づきを与えるものでした。
生徒たちは、発表を通じて自分の考えを他者に伝える力を養うとともに、仲間の視点や意見に触れることで、探究の幅をさらに広げることができました。
そして、聴講している生徒たちはどの発表に対しても積極的に質問を行って、熱心にディスカッションする姿が印象的でした。
1年生の理数科ではこのような学びの積み重ねを積極的に行っており、将来の科学的探究力や社会課題への対応力につながっていくことが期待されます。
【9/26】企業連携 東京エレクトロン宮城の電気回路実験講座を実施!(第3回SS先端科学講演会)
9月26日(金)14:00~15:30物理実験室を会場に、第3回SS先端科学講演会を実施しました。今回は東京エレクトロン宮城株式会社のエンジニア等9名(うち仙台三高OB3名)による出前授業で、生徒14名が電気回路の作成を通してLEDの整流特性を理解する実験プログラムに挑戦しました。OB1名に生徒4~5名の班を編成し、OBのアドバイスを受けながら指定された電気回路を生徒が作成し、Digilant社のAnalog Discovery 3からの波形で性能を確かめました。実験をしながらOBと交流し、半導体や電気回路だけではなく、高校生活や進路選択などについても多くの発見があったようです。社会で活躍する先輩方をロールモデルとして、今後の進路選択に活かして欲しいと思います。
〇生徒の感想(抜粋)
【3年生】今まで私は多くの半導体に関する、講演会やイベントなどに参加してきたが、今回の講演会では専門知識だけではなく、高校を卒業した後の研究の内容や、実際に装置を動かすことによる身近なものの仕組みなど半導体の道を進む上で大切になることを学ばせていただき、世界が広がったような気がしました。また、数学と物理の密接な関係性を痛感することができ、大変良い経験になりました。
【1年生】半導体という言葉は聞いたことがあってもどういうものかまでは詳しくわからなかったので、今回の講演を通して関心が湧きました。また、社員の方やOBの方と話してみて、将来が少し開けた気がします。
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実験開始 |
完成した電気回路の評価 |
作成した電気回路 |
OBとの交流 |
集合写真 |
「イノベーション理数探究基礎」生物分野がスタート!~時習の森でのフィールドワーク~
令和7年9月より1年生理数科の生徒80名を対象にSSH学校設定科目「イノベーション理数探究基礎」の生物分野の授業がスタートしました。この科目では、物理・化学・生物・地学の4分野それぞれで探究サイクルを1回ずつ体験し、理数的な思考力と課題解決力を育むことを目的としています。
今回から生物分野がスタートし、仙台三高が誇る「時習の森」を舞台に、PBL(課題解決型学習)形式で授業が展開されています。
生徒たちはまず、生成AIを活用しながら、日本の森の現状や課題について調査を行いました。日本の森林や林業が抱える問題にも目を向け、持続可能な森づくりとは何かを考えるきっかけとなりました。
第3回目の授業では、実際に時習の森に足を運び、フィールドワークとして「毎木調査」を実施しました。
毎木調査では、ヒノキ林の中で対象となる木にナンバリングを行い、胸高円周(地面から1.2mの高さの幹の周囲)を測定しました。
このデータは、次回の授業で胸高直径を算出し、森の成長状況や構成を分析するために活用されます。生徒たちはメジャーを手に、協力しながら測定を行い、自然と向き合う貴重な体験を通して、生物学的な視点だけでなく、環境保全や地域との関わりについても深く考える時間となりました。
今後も、生徒たちは探究サイクルを通じて、課題発見から解決策の提案までを自らの力で進めていきます。生成AIという新しいツールを活用しながら、科学的な視点と創造的な思考を融合させるこの取り組みは、未来の理数人材育成に向けた大きな一歩となっています。