2025年10月の記事一覧
【10/16】イノベーション理数探究基礎 地学分野がスタート!~石ころから地球の歴史を読み解く探究活動~
令和7年10月16日(木)、1年生理数科の生徒80名を対象に、SSH学校設定科目「イノベーション理数探究基礎」の地学分野がスタートしました。この授業は、物理・化学・生物・地学の4分野でそれぞれ探究サイクルを1回ずつ体験するもので、今回の地学分野はその最終サイクルにあたります。
地学分野のテーマは「石ころ探偵」。
身近にある石を題材に、「この石はどこから来たのか?」「いつ、どのようにしてできたのか?」という問いを出発点に、科学的な手法を用いてその謎を解き明かしていきます。
生徒たちはまず、自分で拾ってきた石を観察し、扁平率(石の形の平たさ)や摩耗の程度を測定。
石の形状から、どのような環境でどれだけの時間をかけて運ばれてきたのかを推測します。
次に、岩石切断機を使って石を切断し、実体顕微鏡で内部の鉱物を観察。
火成岩や堆積岩など、岩石の分類や成因について理解を深めます。また、モース硬度を測定することで、石に含まれる鉱物の種類や硬さを調べ、より詳細な分析を行います。
さらに、地理院地図を活用して、石を拾った場所の地形や地質を調査。
地形の成り立ちや地層の分布をもとに、石がどのような地質環境で形成されたのかを科学的に考察します。これらの活動を通じて、生徒たちは地球のダイナミックな変動や、長い時間をかけて形成される自然の営みに触れることができます。
この探究活動では、観察・測定・仮説・検証といった科学的プロセスを実践的に学ぶことができ、理数科ならではの深い学びが展開されています。
生徒たちは、石という一見身近で小さな存在から、地球の歴史や地質の奥深さに迫る探究に意欲的に取り組んでいます。
今後の授業では、各自が調査した石についての考察をまとめ、スライドを用いて発表を行う予定です。
探究の集大成として、どのような「石ころ物語」が生まれるのか、今から楽しみです。
【10/26】仙台三高学校林「時習の森」グリーンアドベンチャーを開催(第48回全国育樹祭記念行事)
令和7年10月26日(日)、仙台三高の学校林「時習の森」にて、第48回全国育樹祭記念行事「グリーンアドベンチャー」が開催されました。本行事は、宮城県仙台地方振興事務所林業振興部職員2名、本校の教員および白神フィールドワークに参加した1年生12名が講師となり、県内の小学生24名を対象に自然観察や工作体験を通して、自然の魅力や科学の面白さを伝えるアウトリーチ活動として実施されました。
当日はあいにくの雨天となり、予定していた「時習の森」の巡検は中止となりましたが、屋内での活動に切り替えて実施しました。
まずは、「葉っぱの同定作業」です。時習の森から事前に採集されたさまざまな葉を観察し、図鑑を使って樹木の名前を調べる活動に取り組みました。高校生が小学生1~2名に付き添い、図鑑の使い方や葉の特徴の見分け方を丁寧に指導しました。小学生たちは「この葉っぱは何の木かな?」と興味津々で、楽しみながらも真剣に取り組んでいました。
続いて、時習の森の木材を使った「木札づくり」に挑戦。小学生たちは時習の森のヒノキの香りや手触りを楽しみながら、オリジナルの木札を作成しました。木のぬくもりを感じながら、自然素材の魅力に触れる貴重な体験となりました。
最後は、時習の森の葉っぱを使った「葉拓(ようたく)」の工作体験です。お気に入りの葉に絵の具を塗り、紙に写し取って模様を浮かび上がらせるこの活動では、自然の造形美を感じながら、世界に一つだけの作品を完成させました。完成した作品を手にした小学生たちは、満足そうな笑顔を見せていました。
この行事を通じて、小学生たちは自然や科学への興味を深めるとともに、高校生にとっても自らの学びを他者に伝える貴重な機会となりました。
白神フィールドワークで得た知識を活かし、教える立場として活動した高校生たちは、自然の魅力を再確認し、コミュニケーション力や主体性を高めることができました。
今後も本校では、地域と連携したアウトリーチ活動を通じて、科学や環境への関心を育み、学びの輪を広げていきたいと考えています。ご参加いただいた皆様、そしてご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
10/25(土)科学の甲子園に出場してきました。
第15回科学の甲子園
みやぎチャレンジ2025に本校2チームが参加してきました。
事前課題、当日午前の筆記、午後の実技とタイトな日程でしたが、
一生懸命取り組む姿が見られました。
大会の結果は思うようなものにはなりませんでしたが、
「来年こそは!」と意気込む生徒が見られ、よい刺激になりました。
【10/15】ライフサイエンスの授業で「VR介護体験」を実施しました。
令和7年10月15日(水)の2・3校時、本校1年生理数科80名を対象に、宮城県保健福祉部主催の介護体験出前授業を実施しました。株式会社シルバーウッドの黒田様を講師にお招きし、最新のVR技術を使った認知症体験を通じて、介護への理解を深める貴重な機会となりました。
生徒全員がVRゴーグルを着用し、「レビー小体型認知症」の方が見る世界をバーチャルリアリティで体験しました。突然視界に現れる幻視(幻覚)や、距離感が掴みにくいなどの症状を疑似体験することで、当事者にとってどのような「困りごと」になっているのかを、深く、リアルに理解することができました。
このVR体験を通じて、生徒たちは「介護する側」の視点だけでなく、「介護される側」の視点を初めて持ち、相手の立場に立って考えることの重要性や介護する際の心構えを学びました。
【10/10】1年生普通科イノベーション探究基礎で探究がスタート!~「なぜ?」から始まる課題設定と班づくり~
令和7年10月10日(金)の第6校時、1年生普通科の生徒240名を対象に、「イノベーション探究基礎」の授業が行われました。この授業は、1年生が自らの興味・関心をもとに課題を設定し、探究活動を進めていくための出発点となる重要な時間です。今回は、探究活動の中でも最も難しいとされる「課題設定」について学ぶことを目的に、SSHコーディネーターによる講義が実施されました。
授業の冒頭では、本校SSH-授業づくり研究センター長よりSSHコーディネーターの紹介があり、その後、「総合的な探究の時間 『課題』の設定」というテーマで講演が行われました。
講義ではまず、「探究とは何か」という問いから始まり、「受け身の学びから、自立・能動的な学びへと変化すること」が探究の本質であると説明されました。
SSHコーディネーターは、「課題・テーマの設定が探究の中で最も難しい」とおっしゃっていました。また、良い課題を設定するためには、まず自分の興味・関心を深掘りすることが大切であると述べておられました。その際、「なぜ?」という問いを繰り返すことで、表面的な疑問から本質的な課題へとつながっていくことを、具体的な事例を交えて紹介しました。
次に「先行研究の重要性」も強調されました。すでに誰かが調べたことを知ることで、自分の探究がどこから始められるのかを明らかにする点の重要性も強調されました。また、Google Scholarなどの学術情報検索ツールの活用方法も紹介され、生徒たちは実際にどのように情報を集め、整理し、課題を構築していくのかのイメージを持つことができました。
生徒たちは真剣な表情でメモを取りながら耳を傾けていました。
講義終了後には、いよいよ探究活動を共に進めていく「班づくり」が行われました。生徒たちは自分の興味関心をもとに、共通のテーマに関心を持つ仲間を見つけていました。班の中では、早速「どんなテーマにするか」「どんな視点で深めていくか」といった話し合いが始まっている班もあり、活気に満ちた雰囲気となりました。
この日の授業を通じて、生徒たちはこのあと高校卒業まで継続していく探究活動の第一歩を踏み出しました。今後、それぞれの班がどのような問いを立て、どのように学びを深めていくのかが楽しみです。